インフルエンザはどうして予防接種で発症を防ぐことができるの?

集団接種は、何故廃止された?

インフルエンザワクチンの接種は、昔は学校で行っていた時代もありました。

予診票を自宅で記入して、接種は体育館やホールに並んで、一斉に接種したものです。

ところが、インフルエンザワクチンは効果が他の定期接種に比べると低く、それでいて副反応のリスクがあり、更に、集団接種していてもインフルエンザは毎年流行するので、積極的に集団で接種する必要性が問われるようになりました。

そして、結局、1994年に、学童のインフルエンザワクチン集団接種は廃止されました。

そのきっかけとなったのが、公式な論文ではありませんが、「前橋レポート」という前橋医師会の論文で、調査の結果によってインフルエンザワクチンの有効性に疑問を投げかけました。

ただし、現在の視点からみるとその調査のデータの取り方や考え方には、再考の余地があると考えられています。

実際に、集団接種を廃止してからワクチンの接種者は減少しました。

そして、近年では、高齢者がインフルエンザに罹って、肺炎等の合併症によって重篤化してしまうことが問題となっています。

そこで、老人の多くいる施設では、集団接種が行われています。

また、以前は、小学校でワクチンを集団接種していたので、家庭内で弟や妹にインフルエンザをうつすことがある程度おさえられていましたが、今は家族の子供同士の感染に気を付けなければなりません。

特に、乳幼児がインフルエンザに罹ると、入院するくらいの重症になる可能性が高くなるため、気を付ける必要があります。

現在では、任意接種ではありますが、自治体によっては補助金を出すところもありますので、利用すると良いでしょう。

皆が接種してこそ、意味がある!?

子供は一日の中で、長い時間を教室で過ごします。

そして、インフルエンザが流行する冬は寒いため、ほとんど1日中、窓は開け放たれることはありません。

そんな中で、誰かがインフルエンザウイルスを教室に持ち込めば、クラスメート全員がそのインフルエンザに罹患した子供と、締め切った部屋で長時間一緒に過ごすことになる訳ですから、感染が拡大するのは当然であり、それを何とかして防がなければなりません。

このような事態を起こさないようにするために、子供達全員が事前に予防接種をしていたとしても、ワクチンがインフルエンザの発症を抑える効果は、「65歳未満の健康な成人で70~90%程度、65歳以上の健康な成人で45%程度」とされていますので、100%全員がインフルエンザに罹らないようにすることはできません。

しかし、少なくともまずはワクチンでクラスの半数以上の子供達の発症を減らすことはできますし、さらに、うがい・手洗いや適度な部屋の換気、生活リズムを正しくするなどの生活習慣においての予防方法を合わせて子供達にさせることで、学校でインフルエンザの感染が拡大する可能性をかなり低くすることはできます。

インフルエンザワクチンの発症抑止力だけに着目して、「自分が100%発症しないようにしてくれる訳ではないから、接種する意味はない」と切り捨ててしまうのではなく、「自分も含めて皆が予防接種を受けることで、全員でなくともまずは半数だけでも発症する患者数を減らし、皆で感染拡大を防ぐことができる」と考えることが大切です。

しかも、万一接種したにも関わらず発症してしまったとしても、命に関わるような重篤な状態を引き起こさないよう軽症化する効果が得られるため、ワクチンを接種したことはムダにはなりません。

また、インフルエンザウイルスは学校だけが感染の場ではなく、地域社会や会社といった単位でも流行することがあります。

ですので、学童以外の保護者や社会人も含めた皆がインフルエンザの予防接種を受けることで、他の人へウイルスをうつす発症患者の数を皆で減らすといった意識を持つことこそが、感染拡大を防ぐことにつながるのだと思います。




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