ロタウイルスとは?

発展途上国では、死に至る感染症

ロタウイルスは、感染性胃腸炎の中の一つです。

感染性胃腸炎を起こすウイルスは主なものにロタウイルス・ノロウイルス・サポウイルス・アデノウイルス等がありますが、中でもロタウイルスは非常に感染力の強いウイルスです。

ロタウイルスの粒子1~10個で感染を起こすため、ごく微量のウイルスでも感染してしまいます。

世界中で5歳までの子供の殆どがロタウイルスに感染すると言われており、生後6か月から2歳をピークに感染します。

日本においてロタウイルスは感染性胃腸炎の一種という認識しかなく、激しい嘔吐と下痢を起こすだけだと思われがち。

しかし、重度の脱水を起こすと、入院による点滴治療が必要になることもあります。

日本では医療制度が整っているため、子供が点滴すら受けられないという状況はありません。

しかし、発展途上国では衛生環境の面からも日本以上に容易に感染し、そして入院治療といっても誰もが受けられるものではないため、命に関わる感染症なのです。

5歳未満のロタウイルス感染による小児の死亡者は、世界では年間50万人とも言われています。

ロタウイルスは、治療がない!?

ロタウイルスだけに限らないのですが、基本的に感染性胃腸炎はウイルスそのものに効く治療はありません。

ひたすら早く身体の外に出すのみ。

といっても、身体から出す方法は嘔吐と下痢ですし、嘔吐のひどい状況では水分摂取ができなくなりますので、たかが下痢でと思うかもしれませんが、簡単に脱水症を起こしてしまうのです。

とくに月齢の低い乳児程脱水症を起こしやすく、点滴治療のために入院が必要になることがあります。

また、ピークが6か月から2歳の乳幼児のため、頻繁にオムツや吐物を処理している母親や保護者も感染してしまいます。

現在は経口補水液といって、点滴に劣らない脱水を改善するものが市販されています。

これを少しずつ飲むことによって、点滴をせずに脱水症から回避できるケースが増えているため、日本ではロタウイルスによる入院や外来で点滴を行うケースは減りました。

しかし、ウイルスを身体から排除しないことには治りませんから、嘔吐と下痢を止めることはできません。

抗生剤の内服や点滴で治るものではないため、要は嘔吐と下痢を起こしても脱水にさえならなければ言い訳です。

そのため、自宅でしっかり脱水対策をすれば、必ずしも病院で治療を受ける必要はありません。

ただし、乳幼児ではすぐに状態が悪化しますから、注意が必要です。

場合によっては命に関わるロタウイルスですが、実はいくつもの型が存在するため、「1度罹っておしまい」とならないのがネック。

5歳を超えると、ウイルスには感染していても症状の出ない不顕性感染を起こすことが多くなりますが、そこに至るまでの重症者を出さないために、ロタウイルスに対するワクチンが開発されたのです。




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