日本脳炎はどうして予防接種で発症を防ぐことができるの?

日本脳炎は現代も罹る可能性のある病気

日本脳炎ウイルスは、人間同士で感染するウイルスではありません。

ウイルスに感染した豚や鳥の血液をコガタアカイエカという種類の蚊が吸い、その蚊が更に人間を刺した時に感染します。

しかも、毎年の調査によって、現代でも日本脳炎に対する抗体を持っている(つまり罹ったことのある)豚が確認されているのです。

これは、毎年夏に日本脳炎ウイルスを持った蚊が発生しているということになり、国内でも感染の機会があるということを意味しています。

とは言っても、夏に蚊はつきものです。

いくら湿地帯や水田を避けても、ワンシーズン蚊に全く刺されない人は殆どいないでしょう。

勿論、蚊に刺されやすい場所に行かないことや、虫よけスプレーの使用、長袖シャツ・長ズボンの着用等の蚊への対策は必要ですが、それだけでは日本脳炎を予防することはできません。

また、コガタアカイエカは活動範囲が広いので、都市部であっても日本脳炎に感染するリスクはゼロにはなりません。

気づいた時には重症化?

日本脳炎は、感染したとしても実際に発病する数は少ない病気です。

感染者100人~1000人に対し1人の発病とされており、近年では毎年10人程度が西日本各地を中心に発症するにとどまっています。

夏に高熱の出る病気に罹り、しかも意識障害や項部硬直(首の後ろの筋肉が硬くなる)、痙攣、嘔吐等の症状が現れたら日本脳炎を疑わなくてはなりません。

しかし潜伏期間が6日~16日間あるとされているため、周囲で発症した人が現れた時には、自分も日本脳炎ウイルスを保有している蚊に刺された後かもしれないのです。

いざ発症して日本脳炎だとわかった時には、既にウイルスは脳へ達して直接感染を起こしており、脳細胞は破壊されています。

日本脳炎ウイルスに対する特効薬は開発されておらず、治療は困難で、対症療法にとどまるため重症化します。

致死率は25~40%とされ、生存した人のうちなんらかの後遺症を残す人はなんと45~70%にも及びます。

小児や高齢者ではこの率は更に高くなります。

日本脳炎は予防接種が必須

周囲の発病を見てからの予防では遅く、蚊を媒介とするために予防しきれないのが日本脳炎の怖さです。

ですから、日本脳炎の予防には各自の蚊への対策だけではなく、日本脳炎ワクチンを接種する必要があります。

逆に、ワクチンを接種しておけば高い確率で発病を防ぐことができます。

一時期ワクチン後の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)が問題となって接種を控えていた時期もありますが、現在は新しいワクチンが導入されていますので規定通りの定期接種を受けましょう。




このページの先頭へ