風疹はどうして予防接種で発症を防ぐことができるの?

意外とやっかいな不顕性感染

感染症に罹った場合、その病気特有の症状を示すことで感染症に気づいて受診をしますね。

そして、医師がその症状によって何の病気が考えられるか見当をつけて、必要があれば検査をします。

そして身体所見と検査データ、周囲で何が流行っているか等の状況から診断します。

ところが、症状が現れてくれないとまず受診をしません。

本人も困っていないのですから、当然のことですね。

しかし、「症状が出ていない=感染症に罹っていない」ではありません。

症状は現れていないものの、実は周囲に対する感染力を持っている場合があります。

一つは不顕性感染といって、症状のないまま経過するものです。

風疹では15~30%が不顕性感染を起こすと言われており、知らないうちに免疫がついていることがあります。

「職場で風疹が流行ったけど、自分は大丈夫だった」なんていう場合が、そのパターンですね。

「症状が出ないなら困ることはないのでは?」と思われるかもしれませんが、いいえ、違います。

風疹で問題となっているのは、妊婦が風疹に罹患することで胎児へ感染する、先天性風疹症候群です。

この先天性風疹症候群は、不顕性感染でも発生するのです。

つまり、妊婦自身が症状もないため感染に気付かないうちに、母子ともに感染しているケースがあるということです。

一番の予防は、ワクチン接種

風疹は、一度罹患すると終生免疫を獲得すると言われています。

しかし、子供の頃に罹っているから大丈夫と思っている人でも、意外に記憶違いだったり、風疹と思っていたが別の病気だったため、血液検査をしてみると抗体がついていない場合があります。

ですから、採血検査で抗体が十分あるという場合以外は、安心してはいけないのです。

風疹を予防するためには、女性は妊娠する前に風疹ワクチンを受けて免疫を獲得しておくこと、またこれから妊娠する可能性のある人がいる周囲の人もワクチン接種を徹底し、風疹を流行させないことが必要です。

いつ妊婦に接触するかもわかりませんし、いつ自分が罹って他人にうつしているかもわかりません。

例えば、電車の隣に座っている人にうつして、その人が職場で広め、更に職場の人が妻(妊婦)に移すかもしれません。

そう考えていくと、私達は一人で生きているのではありません。

巡り巡って、誰かに影響を与えてしまうものなのです。

風疹はうがい・手洗いによる予防も必要です。

しかし本当の意味の予防は、ワクチン接種を男女共にどの世代の人も受けることなのです。

逆に考えると、ワクチン接種が徹底されれば不顕性感染による感染拡大を起こすこともありませんから、流行を防ぐことができるのです。




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